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昭和24年6月10日、昭和天皇が全国巡幸でご来県。

滝神社に御参拝された後、北山田村椎茸栽培場を御覧になった。

 

 

大分合同新聞 (昭和24年6月11日掲載)

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(新聞:森正温さん 提供)

 

《記念の小松に白砂をおかけ》

 玖珠郡北山田村椎茸栽培場を御視察になった陛下は、原田村長の御先導で場内をお回りになり、郡民の熱誠あふれる歓呼にソフトを高く振ってお●えになったが、陛下は奉迎台を下りられるとき奉迎台のうしろの真新しい盛土に植えた高さ1メートルばかりの小松にふと目をとめられた。御先導の原田村長が同村遺族会一同がこんどの巡幸記念に植えたものである旨申上げ、白紙に包んだ白砂を差し出したところ、陛下はちょっと入江侍従の方を振り返られたが、すぐお気軽に小松に近づいて腰をかがめ、ひとすくいの白砂を松の根方にていねいにふりかけられ、しばらくの間たたずんで何事か深く考え込まれた御様子だった。

 

《よくできていますネ》
~北山田村椎茸栽培場でお言葉~

 日田市を出発したお召自動車は、午前11時玖珠郡北山田村椎茸栽培場に到着。原田同村長の御先導で、陛下は滝神社に御参拝ののちスギ林の中の原木場で椎茸栽培の状況を御覧になった。玖珠郡椎茸出産者連合会長岩田卯●治氏が県下特産椎茸の現状を御説明申上げると、陛下は興味深そうにホタ(原木)に繁殖している香信を手にとって御覧になられ「よくできていますネ。ますます努力を●望します。」と岩田氏に激励のお言葉をかけられて奉迎台にお立ちになった。
 原田村長の発声で、万歳が三唱され場内の旗の波が左右に大きくゆれ動くと、陛下は右手高くソフトをかざして御会釈され、玖珠郡民奉迎場に向かわれた。

 

 

《緑衣の“名物男”》

 玖珠郡北山田村の名物男西日本赤平でとおる穴井平次郎さん(76)は、巡幸当日グリーンの着物にえび茶のはかまといういでたちで日の丸の扇を持ち、高齢者の案内や自宅からお茶を運んで接待するなど大いに活躍していたが、いよいよ陛下がお通りの時は感激のあまり頭を地にすりつけてお迎えした。

(写真は扇を持って奉迎の穴井さん)

 

《御胸像に微笑》

 陛下は玖珠郡北山田村椎茸栽培場からお帰りのさい、同郵便局臨時出張所にもお立寄りになり、高橋局長に「貯金をやってくれてありがとう」とお言葉をかけられ出張所にかざった陛下の胸像を御覧になられると御満足そうにほほえまれた。 

 

(大分合同新聞昭和24年6月11日掲載記事より)

 

 

 

 

 

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(写真:山本忠義さん 提供)